COLUMN

CATEGORY :「家づくりコラム」に関連する記事一覧

自然光があふれる空間

こんにちは、ディレクトです。

住宅設計をする時に心がけていることのひとつに、「光の明るさ」があります。

明るい空間」と言っても、お客さまが求める「光の強さ」はそれぞれ異なります。

自然光がたっぷり注がれるリビングにしたい

柔らかな光を感じられる住空間を作りたい

など、家づくりをする時に、住まいにどのような「明るさ」を求められるでしょうか?

こちらは、先日内見会を開催した住宅です。

LDKには、中庭に向かった「大きな窓」を設計しました。

暖かな自然の光を豊かに取り込み、日中に照明を付けなくてもよいほど室内全体が明るくなりました。

自然光は、圧迫感をなくして空間を広く見せる効果もあります。

このような柔らかな光は、心も穏やかに整えてくれそうです。

少し前までは、「大きな窓は熱が逃げる」という理由で、窓は小さめに作られていましたが、断熱性能の向上により、大きな窓もデザインできるようになりました。

それによって、よりお施主さまの求める「明るさ」を叶えられるようになったと感じています。

しかし、だからといって、「大きな窓の計画=快適な空間」かというと、そう簡単ではありません。

外からの視線が集まる正面や直射日光が入る方角はなるべく避けて計画する。

予算や立地条件で直射日光が入ってしまう場合は、軒を出すことで光の強さを和らげる。

このように、プライバシーや光の強さなどを考慮することが必要です。

他にも、採光あふれる住空間を作る工夫には、いろいろなアイデアがあります。

例えば、壁半分をあえてガラスにすれば、光がより遠く家の隅々まで届きます。

圧迫感も和らげてくれるので、より広く感じられるようになります。

北陸は、全国と比べて1年間の日照時間が少ない地域です。

だからこそ、心地よい住空間の設計には、明かりを取り込む工夫が必要だと思っています。

仕上げ材の種類

こんにちは、ディレクトです。

建築素材には、たくさんの種類があります。

ですから、選ぶ楽しさがある反面、一苦労することもあります。

お客さまの中にも、なかなか決められずに悩んでしまうという方もいらっしゃいます。

特に、内装の仕上げにどんな素材を選ぶかによって、室内の雰囲気も大きく変わってくるので、こだわって選びたいものです。

ディレクトでは、店舗併用住宅の経験を生かして、以前から主に店舗で使われるような仕上げ材も、一般住宅に取り入れてきました。

例えば、「モルタル」や「タイル」。

これらの素材は、水を吸収しにくい性質があるため、キッチンや造作洗面台など水回りの床や壁におすすめです。

無機質でクールな印象に仕上げたいといった場合に使用することが多いでしょうか。

他にも、仕上げ材として選ぶことが多いのが「メラミン化粧板」。

メラミン化粧板は、メラミン樹脂を含浸した素材を表面の仕上げ材に使用した合板のことです。

一見木材のようにも見えますが、とても硬く、耐熱性、耐水性、耐摩耗性などの特徴を備えた優れた素材。

キズが付きにくので、キッチンの天板や家具などに使われています。

また、天然木材ではないので、いくつもの色や柄から好きなものを選ぶこともでき、自分のイメージする空間を作りやすいメリットもあります。

他にも、まだまだたくさんの建築素材がありますが、どんな素材を選ぶにしても、気を付けているのが「流行に左右されない素材を選ぶ」ということ。

流行の柄、色、質感の素材を住宅で取り入れてしまうと、年数がたった時に飽きがきてしまうことがあります。

せっかくこだわって建てる家なのですから、長く好きと感じられる空間をご提案したいと考えています。

「住む」と「働く」が共存する家

こんにちは、ディレクトです。

コロナ禍による生活環境の変化で、今年ほど「住まいの在り方」について考えさせられたことはなかったかもしれません。

お客さまとお打ち合わせをしていても、例年以上に書斎やワークスペースにこだわりを持って計画される方が多いと感じています。

そうでなくても、情報機器の発達により個人が気軽に開業できたり、フリーランスのような「雇用されない働き方を選ぶ人が増え、住宅の一角に店舗や事務所スペースを構えたいというご相談も増えています。

多様で柔軟な働き方を選択できる現代は、「住むこと」と「働くこと」の境界線が薄れてきているのかもしれません。

店舗併用住宅」は、まさに「住む」と「働く」を共存させた住まいです。

ディレクトでは、創業当時から美容室やサロンを経営されるお客さまの「店舗併用住宅」を手掛けてきました。

店舗併用住宅を設計する場合、住宅のみを造るのとは違って専門的な知識が必要となります。

例えば、弊社の店舗案件で多い美容室併用住宅の場合、セット面との距離感、水圧、熱源の種類、明かり、配置、部材の耐久性、建築上の法規…など、挙げればきりがありませんが、経験がないとスムーズに進めることはできません。

「『住む』と『働く』のどちらも快適に過ごせる空間を作りたい」という、多くのお施主さまのご希望を実現できたのは、これまでの“経験の数”だと思います。

多くの失敗もありましたが、その経験の蓄えがあるからこそ、守りの設計・施工ではなく、お客さまのご希望を叶える「攻めのご提案」ができるのです。

店舗併用住宅設計の経験から、「住む」と「働く」を穏やかにすみ分けるには、「空間の距離感が大切だと考えます。

住居と店舗の距離感をより広く保った方が、気持ちの切り替えがしやすくなります。

例えば、1階が店舗で2階が居住空間の場合、接客中に子どもの足音などの生活音が気になることがあります。

特に、コロナ禍で自粛を余儀なくされた時や夏休みなど、家族が自宅に居る時間が増えれば増えるほどストレスを感じやすくなります

この改善案として考えられるのが、店舗は平屋にして、居住は廊下を隔てた場所に配置した設計など。

このような建物は、建築費としては少し高くなる傾向がありますが、家族の生活音や気配が気にならない「住みやすさ」が手に入ります。

店舗併用住宅のアイデアは、一般住宅設計のヒントにもなります。

家にいる時間が多くなった今こそ、居住空間も自分のスタイルに合った場所をデザインすることで、「住む」も「働く」もどちらも充実した生活を送ることができるのではないでしょうか。

照明と室内デザイン

こんにちは、ディレクトです。

日が落ちるのが早くなり、灯りをつける時間が長くなると、ふと「照明」について考えてしまうことがあります。

照明は、取り入れ方によって室内デザインや雰囲気を変えてしまいます。

照明デザイナー」という職業もあるくらいですから、やっぱり照明は暮らしの中で重要なものなのです。

私たちも、お客さまが望まれている暮らし方によって、どんな照明を取り入れようかといつも思案しています。

照明を考える場合、まず大きく分けて2つのパターンがあります。

インテリアのアクセント」として用いるのか、「明るさの確保」として考えるのか?

照明を「インテリアのアクセント」とする場合は、ペンダントやウォールランプ、スタンドランプなどの、主張しすぎず流行に左右されない照明を用います。

ディレクトでは、主に北欧プロダクトのデザイン照明を使用しています。

明るさの確保」のための照明であれば、ダウンライトや間接照明、スポットライトなどのなるべく目立たず、主張しないものを選んでいます。

そして、色、形、配置などで居心地のよい空間となるよう照明計画をプランニングしていきます。

では、それらをどう室内デザインと組み合わせていくのかというと、「主張しすぎない」というのがポイントになってきます。

例えば、照明の光源が見えない、または見えにくくする工夫

照明をできる限りまとめて配置する工夫

特に、ダウンライトやスポットライトなどは、照明器具の存在感をなくすようにする。

ダウンライトは、壁紙の色と同色にして空間に同化させる、といった方法があります。

最近いいなと思っているのが、「グレアレスダウンライト」。

人の視角・仰角を考慮し、光源が視界に入らないよう設計されているため、不快なまぶしさを感じず目に優しいのに、しっかりと明るさを確保して空間を演出してくれます。

シームレス(継ぎ目のない)な間接照明も、建築物の一部として天井や壁面に器具を組み込むことで、光のグラデーションにより上質な空間演出ができておすすめです。

また、サッシや階段に黒を用いた場合は、アクセントとして黒枠のダウンライトを用いることもありますが、極力小さいサイズを選び存在感を小さくさせています。

灯りは、はっきりとした形こそありませんが、空間に豊かな表情を演出(デザイン)してくれるのです。

室内配色

こんにちは、ディレクトです。

みなさんは、どんな雰囲気の家をつくりたいとお考えでしょうか?

お客さまとお話しをしていると、デザインはもちろん「色」にもこだわっていらっしゃる方が多いように感じます。

家を設計している私たちにとっても、「色」は重要な要素

白なのか、黒なのか、はたまたグレーなのか、木の色なのか…?

すごく細かいことを言えば、白といっても純白もあれば、オフホワイトのような少し黄みがかった白など、さまざまあります。

では、たくさんの選択肢の中から、室内にどんな「色」を選ぶのか?

メインの色は、お客さまがどんな家を造りたいかというこだわり次第ですが、白なら明るい空間に、黒ならかっこいい雰囲気に、木の色なら温かみを演出できます。

もし自分が家を造るとするならば、シンプルな白

白は、主張しすぎず、他の色とも調和しやすいからです

もちろん、1色だけだと無機質な感じになってしまうので、2色、3色を上手く掛け合わせることで、居心地のよい室内が生まれます。

ただ、あまり色が多くなってしまうと、まとまりのない空間になってしまうので難しいですね…。

お客さまへの提案で気を配っているのが、

飽きがこないようにする

流行にながされない

この2点です。

グルメやファッションのように、家のデザイン、色、内装、インテリアにも流行りがあります

しかし、人は飽きやすいものです。

だからこそ、流行りに惑わされてはならないと思っています。

5年後、10年後も心地よく暮らせる色だろうか?

ひとつひとつ、そうやってお客さまと対話しながら決めていくのです。

色ひとつで部屋の雰囲気は変わります。

普段、何となくで選んでしまいがちな「色」ですが、ちょっと興味を持って考えてみるとおもしろいかもしれません。