COLUMN

設計士が魅了される建築 【鳥羽市立 海の博物館】

こんにちは、ディレクトです。

今年のGWは、数年ぶりに行動制限のない大型連休でした。
帰省や旅行など、少し遠出をしてどこかへ出かけられた方も多かったのではないでしょうか?

建築に携わる仕事をしていると、行く先々で何よりも建物に目が行ってしまうのですが、有名建築はもちろん、思いがけず素敵な建築に出会えるととても嬉しくなります。
今回ご紹介する「鳥羽市立 海の博物館」も、心惹かれた建築の一つです。

鳥羽市立 海の博物館」は、建築家の内藤廣氏によって設計された有名建築です。
内藤さんは、以前にご紹介した「とらや工房」、「東山旧岸邸」も設計されています。
www.direct-co.com/column/date/2022/02/

こちらは、よくある水族館とは違い、海と海辺に住む人々の歴史・現在・未来を伝える「海と人間」の博物館という、ユニークなコンセプトで作られています。
30年前に竣工した建物ですが、デザインはインダストリアルの先駆けだと思います。

展示室は、コンクリート構造の壁と、大断面でアーチ状の木梁を使用した木造を組み合わせた「混構造」ですが、構造部を隠すのではなく「構造美」として魅せています。
余計な装飾をなくした素形とトップライトからの自然光との組み合わせが、とても素敵です。

館内に複数ある建物は、分棟配置されています。
海沿いに建っているので敷地に高低差があるのですが、出入口を高さの違うところに設けて、自然の景観を利用した道筋が造られています。
そのような考え抜かれた建物の距離やつながりによって、敷地の高低差や水面の見せ方がすごく上手だと感じました。

他にも、階段の手すりが建物の基礎に使用する鉄筋を溶接しただけの物であったり、低予算だからこそ編み出された、工業製品そのままのような無骨なデザインが印象的に残っています。

鳥羽市立 海の博物館」のような心躍るような建築は、自分の設計にも大きな影響を与えてくれます。
敷地環境を配慮した機能とデザイン。
そんな建築設計を住宅にも反映していきたいと思っています。

◆画像参照元:海の博物館Sea-Folk Museum 公式Facebook
www.facebook.com/SeaFolkMuseum/